――ルージャンの家も、トリニティーのほとんどの家と同じく貧しかったが、それでもここまでボロボロの鍋なら、
迷うことなく捨てたはずだ。
ルージャンは、足が冷たさでまひするのも気づかずに、長い間その鍋を見つめていた。
第二章 「ランゼスの一日」より
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久しぶりに描きました、童話場面絵です。
こういう、ちょっとした描写がすごくいいと思う。ペチカの苦境と、ルージャンの気持ちが
すごく伝わってくる場面ですよね。
でもこの時点では、まだ、まさかルージャンがあそこまで良い男になってくれるとは思ってもいませんでした(笑)
ここまで素敵な伏線だったとはね…!(驚)(喜)
本当に、こういうちょっとした小物だとか情景を、とても丁寧に物語りに組み入れていて
物から思いが伝わってくるような描写もとても好きです。
物をとても大切にする女の子が主人公だしね。
2007.3.2