二人の頭上高くに、七色の虹が美しい弧を描いて空を飾っている。
それは今までフィツが地上で見たどんなものよりもきれいだった。
(中略)
ペチカは少し赤くなったようだったが、照れを隠そうと、わざとつっけんどんに言った。
「虹を見てきれいだと思わない人なんていないよ」
                                        第三章「虹の橋のかかる刻」より。


  

ラストに向けての大事な伏線となるこの場面。
壮絶な喧嘩を終えたあとに迎える美しい場面なだけに、より一層心に残ります。

地上で過ごし、大変な苦労をしてすっかりひねくれてしまったフィツも、
この日の美しい虹と、そしてペチカの言葉はずっと覚えていたのですね…。
童話物語では、虹は大切なキーワードですよね。
色々な意味で、ラストとの対比が面白く、そして感動的です。
虹はきれいで大切で、二人の心に深く残るものでありながら、童話で虹が出てくる場面は
両方とも二人の別れの場面なのですよね…。
なんだか感慨深いです。


絵は、実は童話強化を始めた頃に線画は出来上がっていたのでした。
家族が出払った休日を見計らって水彩絵の具で色塗りして(笑)、上から色鉛筆塗りしました。

赤い森って、「くしゃみ」をしていない時にはどんな色なんでしょう?
アコパラは常緑樹ということだから緑かな?と思い、最初緑で塗り、
でも日に二回「くしゃみ」を浴びるわけだから…、とあとから色鉛筆で赤を足しました。
なんだかスキャンミスしたような色になっていますが;;
原画もこんなもんです(笑)

実はトップに持っていくつもりだったのに、どうしてもレイアウトが合わなかったのです…(涙)





2005.7.12