「狭也」低い声で稚羽矢は言い、剣に目をおとした。 「明星が死んだ」
黙って狭也はうなずいた。気やすいなぐさめなど口にできなかった。
稚羽矢は長いこと黙っていたが、ぽつりとつぶやいた。
「明星だけが、わたしを、なんのためらいもなく好きになってくれたのだ」
空色勾玉 第五章「影」より。
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空色ノベルズを読んで、空色熱に浮かされて描いたものです(笑)
(ちなみに薄紅ノベルズはこの比ではなく描き殴ってます/笑)
この場面は胸に迫るものがありました…><
空気が読めず、いつも的外れな稚羽矢がその苦しみをさらけ出した場面。
(言い方酷いな)(ちーさまは大好きですよ!)
けれど、狭也もまた失ったものが大きすぎて、この稚羽矢の苦しみを包み込んであげるだけの余裕は
なかったのですよね、このときは。
柾の死は堪えました……(涙)
空色ノベルズで久々に(一年ぶりくらい?)空色を読んで、
やっぱり大好きだ…!と思いました。
一番好きな作品は薄紅かもしれないけれど、
それでもやはり空色は輝き方が違う気がします…!
荻原先生の文は、本当に読者を虜にしてくださいますよね…vv
2005.11.20