ペチカは一瞬戸惑った顔を見せたが、おばあちゃんのぬくもりに迎えられ、素直にその胸に顔をうずめた。
泥まみれになってしまった真っ赤なほおをおばあちゃんの胸にすり寄せて、目をつむる。
「……お母さん……オムレツ作って……オムレツ――――」
第三章 「虹の橋のかかる刻」 より。
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初めて描きました、おばあちゃんです。
童話物語の中でもとくに温かくて、大きな大きな存在のおばあちゃん。
トリニティーでの生活以来、他人を信じることの出来ないペチカが、初めて心を開いた瞬間です。
ペチカとおばあちゃんの関係がとてもとても好きです。
おばあちゃんがペチカを探して、雨にまみれ、転んで泥にまみれながらいつまでも広場をまわる場面では
おばあちゃんと一緒に泣いていました。
おばあちゃんにとって、ペチカは本当にかけがえのない存在だったのですね…。
おばあちゃんがペチカに与えてくれた、貧しいけれど大きく、深い愛情は、読んでいて胸がいっぱいになりました。
このあとのオムレツのシーンは、読み終わっても長く心の中で再現されています。
絵は…
何というか、おばあちゃんが「おばあちゃん」じゃない!というか;
もっと年輪を重ねた人間が描けるようになりたいものです…とほほ;
2005.4.30